悪魔狩り屋と優しい悪魔
私は悲鳴の聞こえた方にある路地裏に入ると、レジ袋を置き対悪魔銃を取り出した。
銃の弾丸は全弾装填されている。私はセーフティーをおこすと壁伝いに歩き出した。
銃を両手で握りしめ、詠唱する。すると、弾丸に青い炎が灯った。人間に対悪魔銃はきかない。しかし、銃は銃だ。死ぬことは無くても怪我はする。だから仮に人間に誤射しても相手が気絶するだけですむように変えたのだ。
私はゆっくりと壁を伝いながら、なるべく物音を立てないように歩く。
瞬間、
「んぐぅぅっ!?!!?!?」
何者かに背後から口を塞がれた。銃を向けて威嚇しようとしても抱き締められるかのように押さえられているので、動くこともままならない。
私は精一杯の抵抗として、相手の足を思いっきり踏みつけた。
しかし、その足は無様にも地面を叩くだけだった。
もがいているうちに、うなじに鈍い痛みを感じた。
しまったと思ったときには目の前がぐらりと揺れていた。私は、屈辱に顔を歪めたまま、意識を飛ばした