悪魔狩り屋と優しい悪魔
「っ……」
鈍い痛みを感じ、私は覚ました。
体が思うように動かない。細い鎖のようなもので縛られているからか手も足も動かない。
やられたか、私は唇を噛むと辺りを見渡した。
どうやら廃工場のようだ。私は体をよじり自分が床に寝かされていることを確認すると、ゆっくりと体に力を込めて起き上がった。
『気が付いたようだな。悪魔狩り屋』
私は首を動かし、声の聞こえた方を見た。
そこに立っていたのは、一言で言えば美青年だった。
漆黒の髪に、鮮血を垂らしたような赤い瞳。精巧に作られた人形のような整った顔立ち。長い手足ー貴族のような気品を纏った男だった