悪魔狩り屋と優しい悪魔
悪魔狩り屋と安久李冬馬
サタンが私を不気味な笑みを浮かべながら見る。
私はただ、サタンを睨み付けることしかできなかった。
『よく俺がサタンだと分かったな。普通ならメフィストとかと言い出すのにな』
「力が異質すぎなんだよ。いくら人間の姿をしていても、お前の力はメフィストや堕天使とは違う。だから、簡単なんだよ」
私は腕を動かしながら、考え続けた。
どうしたらこの危機的状態から逃れられる。相手はサタンー悪魔の頂点に君臨する存在だ。もしフル装備で立ち向かっても一瞬で消されるのがオチだ…
私は唇を噛みしめ、なにか良い案が無いか考え続けた。
「何が目的だ。私を殺しても、悪魔狩り屋はまだいる。仲間への見せしめか?」
私はできるだけ不敵な笑みを浮かべながら聞く。仲間への見せしめなら、筋は充分通ってる。ならば、遠くにいる同じ性質を持つ仲間たちを動揺させないように、逃げなくてはならない。
そんなことを考えながら、私はサタンを見た。
サタンはニヤリと口角をあげ、私に告げた。