悪魔狩り屋と優しい悪魔
「んんっ…」
目を覚ますと、見慣れない天井が視界に飛び込んできた。
私はゆっくりと体を起こすと、辺りを見渡した。
純和風の間取りに、障子から差し込む柔らかい光。その障子の間から覗く日本庭園ー心当たりのない場所に、私はいた。
「…本家でもない…どこだ?」
私は混乱している頭を押さえた。瞬間、ふすまが開き着物姿の初老の女性が顔を覗かせた。
「あぁ…お目覚めになられたのですね。冬馬様を呼んできます」
女性がふすまを閉めると、私は自分の体を見た。薄手の淡い青の着物姿で、髪は三つ編みが解かれてあり、枕元に髪を結んでいたリボンが置かれていた。
私は髪を緩く1つに結ぶと、状況確認をし始めた。