悪魔狩り屋と優しい悪魔
私は目を覚ました。目の前に広がるのは、懐かしい天井。辺りを見渡すと数年前まで使っていた机や椅子。少しだけ日に焼けて色褪せたぬいぐるみと本ー私の部屋だった。
「目が覚めたか」
声の聞こえる方へ視界を動かすと、厳つい表情の男性がたっていたー私の父だ。
「…父さん、なんで私ここにいるの…?」
私は体をゆっくりと起こす。瞬間、激痛が体を走り抜けた。自分の体をみると、包帯でぐるぐる巻きになっている。自分が思った以上にひどい傷だったみたいだ。
「…お前に聞きたい。お前の知り合いに悪魔の可能性がある人間はいるか?」
私は目をまるくした。父の言葉が、あまりにも唐突すぎて理解できなかったのだ。