悪魔狩り屋と優しい悪魔


理解できない、という顔をしているであろう私に父さんは言葉を紡ぎ続ける

「今朝、玄関の前にお前が倒れているのを俺が発見した。この家からお前が一人暮らししているマンションまで遠くはない。だが、今のお前の状態じゃここまで帰ってくるのは不可能だ。だが、お前は玄関の前に倒れていた」

「ここまではまだいい」父さんは苦虫を噛み潰したような顔をした

どうやら、相当重要なことをいうのであろう。私は父さんの目を見ながら聞き続けた。

「お前のコートに、これが引っ掛かっていた」


父さんは上着のポケットから何かを取り出し、私に渡した。


それを見て、私は目を見開いた。それは、私たち悪魔狩り屋にとっても恐れるものでー憎むべきものの一部だったからだ。


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