悪魔狩り屋と優しい悪魔


「いや、おにぃと一緒じゃないといや…!!」

小さな体を震えさせながら、やえはその場にしゃがみ込むと、俺の手を繋いだ。

俺は手を伸ばし、やえの頬に触れる。

やえの煤で汚れた頬を撫でながら、微笑む。安心させるために、すぐに行くと伝えるためにー

「やえ、大丈夫だ。にぃちゃんはすぐに行くから。絶対離れないから‼」

「いや‼おにぃと一緒に…‼」

今にも泣きそうなやえを撫でながら、俺はにっこり微笑んだ

「大丈夫だから。にぃちゃんが足早いの知ってるだろ?約束だから」

俺は微笑みながら、やえに告げた。涙目になっていたやえが、目をこすり、立ち上がった。どうやら、俺の言葉がちゃんと届いたらしい。

小さな体を一心不乱に動かしながら、防空壕に走り出した。

よかった。やえはこれで生きてくれるだろう…

瞬間、目の前で真っ赤に焼けたそれが落ちてきたー



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