悪魔狩り屋と優しい悪魔




「あ…なぜ…なんで…俺は…」



淀んだ目で俺を睨み付けている子供の死体を前に、ひどく動揺した。



違う、これはやえじゃない。やえは俺の目の前で死んだ。この死体はやえではない。



そう自分に言い聞かせてるが、無駄だった。



淀んだ目が、やえに似たその顔が、喉にぽっかり開いた穴が俺に問いかけ始めたのだ。

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