悪魔狩り屋と優しい悪魔
なにも感じない。その感覚が心地よかった。
今まで感じていた罪悪感や気分の悪さから解き放たれたのだ。
自分に付きまとっていた罪の意識から逃れることができた、そう感じた。
そして、気づいた。何かを破壊することに、俺は後悔も罪悪感も気分の悪さも感じていない。むしろ、破壊することが自分の存在意義のようにーとても甘美だということを。
そして気づいた。俺が、すべてを失った自分という存在が、もはや人ではなくなっていたことを。
言葉では例えることのできないものになっていたことをー強いて言葉で例えるならば、「悪魔」という存在になっていたことを。