悪魔狩り屋と優しい悪魔
この世界は残酷だ。
「なぜ、こんなことになったんでしょうね」
なぜ、こんなにも残酷で、愚かで
「私は悪魔狩り屋、あなたは悪魔」
不純で、不条理で
「もし、こんな関係じゃなかったら」
理不尽で、希望なんて1つもない
「ー貴方のことを、ただ一人の、普通の人間として好きになれたのに」
不幸で、愛おしいものなのだろう
「ごめんね、凛童ちゃん。愛してるよ」
きっと彼女は俺を殺す。愛するものに俺は殺される。小さな幸福を感じながら、俺はゆっくりと微笑んだ。
瞬間、廃ビルに、乾いた銃声が響き渡った。