先生 〜柚子side〜
「あの、コイツは……んんっ!!」
勢いずく私の口を、背後から手で押さえつけた。
ジタバタする私を、背後から抱える感じで押さえつけながら
「でしょー、本当コイツその優しさわかってくれないんすよ〜」
って、お前は何か肯定してるんだ!!
「マジですかぁ〜。彼女さん超幸せぇ〜」
「もっと、コイツに言っといてください」
なんて、嘘ばっかじゃん!!
何言っちゃってんの、コイツ?!
「超幸せですねぇ〜!!」
目をまん丸く見開きブンブン顔を横に振る私に、満面の笑みで話しかけてくる店員さん。
キンキン声が、マジでウザい。
スッと口元から手が離れたと思いきや、グイッと手を掴まれ引っ張られる。
ちょっ…、何なのよ一体!!
手を振り払いたかったんんだけど、日頃から鍛えているスポーツ男児。
全く力が違うよね。