先生 〜柚子side〜
聡史のバイト先
「ヤバイ、これマジでハマりそーーー」
「さっきまで泣いてたと思ったら、コロコロ良く変わるな」
私が口にしてるのは、ガッツリ盛られたバニラアイスにチョコがかかってて、極めつけに小さいケーキが乗ってるパフェ。
大の甘党な私へのお詫びの品。
幸せ!!!
ここは聡史のバイト先で、さっきのとこから2駅先のオシャレなカフェ。
チャラい格好から打って変わって、白シャツに黒のサロンを腰で巻いたスタイル。
ムカつくけど、似合ってるよね。
「もー、あれは無かった事にしてよ!」
横に立つ聡史を睨みつけながら、チョコケーキをフォークで刺した。
「どーしよーかなー」
ニヤニヤしながら悪ガキの顔になる聡史の横に、ひょこっと顔がでてくる。
「あれぇー、聡史君の彼女さんかなぁ?」
その人の顔を見た瞬間、パッと聡史の顔が変わった。
「茉莉さん!!こいつ⁈いや、そんなわけ無いじゃないっすか!!」
よそ行きの顔とも違う表情で、必死に否定する聡史。
茉莉さんは、艶っぽい唇の口角をあげて、屈託のない笑顔で
「大丈夫、言わないでいてあげるからー」
そう言って、隣のお皿を下げていった。