先生 〜柚子side〜
急いで純那の教室にいくと、うちの教室と同じように半分くらいの生徒が残って話していた。
純那も、2人の男子と話している。
本当、人見知りしない性格が羨ましい。
楽しそうに話してるから少しためらったけど、声をかけた。
「純那!!」
その声に反応してこっちを向いた純那は、すぐに満面の笑みになる。
もちろん、2人の男子もこっちを向いた。
うわっ、メッチャイケメンじゃん!!
片方の男子はモデルさんみたいな顔をしていて、もう1人はスポーツやってそうな健康的な焼け方をしていた。
さすがに、少し固まっちゃう。
「柚子〜!!こっち来て」
そう言われ、ためらいながらも純那のところに向かった。
そんな事気にしない純那。
相変わらず、鈍感。
「柚子は、小学校の時からの親友なの。メッチャ美人さんでしょ?」
と、私の紹介をする。
うわっ、人見知りにとって困るシュチエーションじゃん。
作り笑顔をし、軽く頭を下げながら
「どーも」
と挨拶。
こういうの、本当にめんどくさい。
「柚子、こっちは遊君と聡史君」
「本当、すげー美人!モテたでしょ?」
と聞くのは、スポーツ男子っぽい聡史君。
チャラそうで、苦手なタイプなんだな私。
「いや……」
私が答えようとすると、純那が
「モテるの!!メッチャモテるのに、誰とも付き合わないの!!しかも、頭が良くて学年でも上位……」
余計なことを……。
ーーーバシッ
「ウルサイ!行くよ」
純那の頭を軽く叩き、先に下駄箱に向かって歩き始めた。
本当に、こういう時どう反応していいかわからない。
「イッターイ!待ってよ、柚子〜〜!!遊君、聡史君またね」
背中からそんな声が聞こえ、すぐに私の腕に手を絡ませる純那。
犬みたいで可愛い。
こういう子がモテるんだよ。
純那の方が、モテるのに気づかない鈍感さんなのに、それにも気づいてない。
そんな純那が好きなんだけどね。
これが、私達4人の出会い。
普通の友達で、好きになるなんて思ってなかった。