先生 〜柚子side〜
入ったお店で見つけたミラー。
二つ折りになってるタイプで、キラキラとピンクのラメが散りばめられてる。
「聡史、これどう思う?」
そう言った私の背後から、ニュッと顔をのぞかせる聡史。
ひゃっ!!!!
ち……近いんですけど。
一気に鼓動が早くなる。
何よこれ!!
不意打ちなんだけど!!
それをさとられないように、普通に振舞う私。
そんな事に全く気がつかずにいる聡史は、
「いいんじゃん?」
と、一言言ってスッと離れた。
大きく息を吸い込んだ。
息を吸うの忘れてたよ。
今日の私、やっぱ変かも。
大きなため息をつくと、近くにあったお揃いのポーチを手に取り、レジに向かう。
お会計をする私の横に立った聡史は、プレゼント用に包んで差し出してくれた紙袋を、無言で持ってくれた。
「あっ、ありがとう」
「わぁー、優しい彼氏さんですね!!」
ギャルっぽい店員さんが、テンション高めで大袈裟に言ってくる。
ってか、彼氏?!
絶対違うから!!
私が反論しようとした瞬間……