~校内恋愛禁止ですっ!!~
しかし、背表紙に少し指先が触れる程度で取ることができない。

なにか踏み台にできそうなものはないかと、あたりを見渡すが使えそうなものはない。



岸谷先生は読書に夢中だし、邪魔するのもなんだかな……。



こうなったら最後の手段!!

私は思いっきり床を蹴り上げジャンプした。

指がすこし本にかかり、わずかに動く。

この調子なら取れる!!

もう一度ジャンプしようとしたとき、私の後ろから手がのびたきた。

その手はいとも簡単に私のお目当ての本を引き抜く。



「届かないなら届かないって言ってくれればいいのに……」



知らないうちに岸谷先生が私の後ろに立っていた。

すこし困ったように眉を下げて私のことを見ている。
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