~校内恋愛禁止ですっ!!~
◆ ◆ ◆

・帰る

見て回りたいっていう気持ちもあるんだけど……。

なんだか薄暗くて怖いしな……。



「すみません。また今度来てもいいですか?」

「うん、いいよ。僕はいつでもいるから」



岸谷先生は嫌そうな顔をまったく見せず、私に微笑んでくれた。

その顔を見て、私の心がズキッと痛む。



「あの……」

「どうしたの?」

「よかったら岸谷先生のオススメの本、借りてもいいですか?」



帰る理由が怖いからなんて申し訳なくて、なにか1冊でも本を借りて帰ろうと思った。

そしてその結果がこれ。

まぁ、すこしでも岸谷先生と話す機会が増えればいいなっていう考えもあるけど……。
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