~校内恋愛禁止ですっ!!~
「僕のオススメなんかでいいの?」

「岸谷先生のオススメがいいんです!!」



岸谷先生が読む本は絶対に面白いに違いない。

私はそうだと思っている。

でも哲学とか評論とかだったらどうしよう……。

読みきる自身がないな……。



私が心のなかで不安になっているのに対し、岸谷先生はすこし嬉しそうにしながら本を選んでいた。



「これなんてどうかな?」



1冊の本が私の前に差し出される。

古い本のようだが扱いがいいのか、とてもきれい。

堅苦しい文章が並ぶ評論ではなく、小説のようだ。



「小説なら物語性があって面白いし、最後まで読みきれると思うんだ」



私はその本を受け取り、タイトルと作家名を見て驚いた。
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