~校内恋愛禁止ですっ!!~
大丈夫、私。
向こうにもきっと素敵な先生はいっぱいいる。
友達だってちゃんとできる。
「わかりました。移動します」
すこし不満そうな声色で私は返事した。
「わかってくれてよかったよ」
私の様子を見て理事長先生は満足そうに頷いた。
私を説得できたことにいい気分に浸っているようだ。
くっそ、覚えてなさい!!
いつかその偉そうな雰囲気を醸し出している髭、1本残らず抜いてやるんだから!!
とりあえずいまは転勤の用意をしないと。
荷造りしたり、ほかの先生に挨拶したりなどすることはいっぱいだ。
私は嫌々一礼して、早歩きで出入り口に向かい、ドアノブに手を伸ばした。
あれ、1つ聞き忘れていることが……。
私はくるりと理事長先生の方に向きなおした。