~校内恋愛禁止ですっ!!~

大丈夫、私。

向こうにもきっと素敵な先生はいっぱいいる。

友達だってちゃんとできる。



「わかりました。移動します」



すこし不満そうな声色で私は返事した。



「わかってくれてよかったよ」



私の様子を見て理事長先生は満足そうに頷いた。

私を説得できたことにいい気分に浸っているようだ。

くっそ、覚えてなさい!!

いつかその偉そうな雰囲気を醸し出している髭、1本残らず抜いてやるんだから!!



とりあえずいまは転勤の用意をしないと。

荷造りしたり、ほかの先生に挨拶したりなどすることはいっぱいだ。

私は嫌々一礼して、早歩きで出入り口に向かい、ドアノブに手を伸ばした。

あれ、1つ聞き忘れていることが……。



私はくるりと理事長先生の方に向きなおした。
< 6 / 122 >

この作品をシェア

pagetop