~校内恋愛禁止ですっ!!~
「わ、私の……!?」
「もっ、もう8時!!遅刻する!!」
私、須藤めぐは息を切らしながらただひたすら走っている。
急な転勤の報告から1日。
荷物をまとめた私はある場所へ向かっていた。
新しい職場。
男子校の南原高校へと。
その高校は私の住んでいるマンションから徒歩約20分のところをにある。
近いからゆっくり出勤しても大丈夫。
なんて思っていたのが間違いだった。
行くまでの道のりがすごく複雑。
右に曲がったと思ったら次は左。
右、左、右、左……。
まるで迷路みたい。
そんなぐにゃぐにゃな道筋は未だに続いている。
もうなんなのよ、これは!!
ただでさえ今日から悪夢に始まりっていうのに……。
私を困らせてなにが楽しいの!!
自分の不幸さに思わず、涙が出そうになった。
ぐすっと鼻が音を鳴らす。