Ghost of lost
「すると被害者はまだ狙われるというんだな」
 美しが丘暑刑事課係長の太田昌義は小島と恵を覗き込むように言った。
「はい、被害者の話ですとこの後も犯行を行うような事を犯人は言ったそうです」
 小島は身を乗り出して答える。その隣で恵が同意するように頷いた。
「だから警護の必要があります。警護をすることは犯人確保のチャンスでもあります」  小島の言葉は勇作を囮にする事を意味してもいた。その彼の意図を太田は見抜いていた。それは消して褒められたことではなかったが犯人を特定できる証拠が見つけられていない状況の中では有力な方法であった。
 勿論第一のの目的は勇作の安全の確保であった。
 太田は小島の提案を許可し、その役目を二人に命じた。
 小島は太田に例を言い恵を従えて刑事課の部屋を出た。
 刑事課の部屋は署内の二回にあった。二人は階段を駆け下り車を止めてある駐車場へと急いだ。
 犯人は次の犯行をにおわせている。一刻も早く被害者の元に行かなければならないのだ。 車に乗り込むと恵はアクセルをいっぱいに踏み込んだタイヤが悲鳴を上げて走り出す。。
 小島がサイレンを鳴らす。 車に取り付けられた拡声器で先行車や対向車を左右にどかす。空いた隙間を車が矢のように走り去る。
 彼方に病院の建物が見えてきた…。
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