Ghost of lost
病院に着いた小島と恵はまっすぐに勇作の病室に向かった。患者の身体を考えてなのか病院内の冷房は穏やかに設定されていて、外から入ってきた二人には少し暑く感じられた。患者の中にも彼らと恩間滋養に感じている者もいるようでシャツ一枚で歩いている者もいた。
二人はナースステーションを過ぎ三つ目のドアを括った。だがそこに勇作の姿はなかった。
小島は隣のベッドで横になりテレビを眺めている患者に勇作の行方を尋ねた。その患者は少し五月蠅そうにして彼が屋上に行ったのではないかと答えた。二人は軽く会釈をして病室を出る。
昼食の時間が近いのだろうか、大きなワゴンが病棟の廊下に置かれている。二、三人の看護師がプラスティックの盆にのせた昼食を配っている。
それを避けるようにして二人は屋上へと向かう。エレベーターは全て下の階にありこのフロアへの到着までには時間がかかるように思えた。二人は会談で屋上に向かう。
流石に階段には人影はなかった。
焦る気持ちを表すかのように二人が上る足は速かった。そう、二人は焦っていた。刑事の勘とでもいうのだろうか、この病院に入ってから厭な予感が纏わり付いていた。
呼吸(いき)が弾んでいく。
体力が落ち始めた小島の膝が微かに震えている。
一フロア、二フロア、三フロアを過ぎて二人は屋上のドアを開けた。そして思いもよらなかった光景を見た。
倒れている勇作、呆然としている女性、身構えている女性、渦を巻く細かな光、そして、明らかに邪悪な気を吐いている黒い影…。
こいつが犯人だ。
刑事の勘が二人に告げる。
そして二人は勇作の方に走り出した。
二人はナースステーションを過ぎ三つ目のドアを括った。だがそこに勇作の姿はなかった。
小島は隣のベッドで横になりテレビを眺めている患者に勇作の行方を尋ねた。その患者は少し五月蠅そうにして彼が屋上に行ったのではないかと答えた。二人は軽く会釈をして病室を出る。
昼食の時間が近いのだろうか、大きなワゴンが病棟の廊下に置かれている。二、三人の看護師がプラスティックの盆にのせた昼食を配っている。
それを避けるようにして二人は屋上へと向かう。エレベーターは全て下の階にありこのフロアへの到着までには時間がかかるように思えた。二人は会談で屋上に向かう。
流石に階段には人影はなかった。
焦る気持ちを表すかのように二人が上る足は速かった。そう、二人は焦っていた。刑事の勘とでもいうのだろうか、この病院に入ってから厭な予感が纏わり付いていた。
呼吸(いき)が弾んでいく。
体力が落ち始めた小島の膝が微かに震えている。
一フロア、二フロア、三フロアを過ぎて二人は屋上のドアを開けた。そして思いもよらなかった光景を見た。
倒れている勇作、呆然としている女性、身構えている女性、渦を巻く細かな光、そして、明らかに邪悪な気を吐いている黒い影…。
こいつが犯人だ。
刑事の勘が二人に告げる。
そして二人は勇作の方に走り出した。