〈短編〉かわいくなりたい
「ケンカなんかしてないわよ…」

お母さんは私の顔を見ながら…


「いやぁ~陸の顔を見るとなにかありましたって書いてあるわよ??」


クスクス笑いながらお母さんは私のほっぺを人差し指でちょんと触った。
私は拗ねた顔をした。

「しかも和也君もいつもの笑顔じゃなかったしなんか元気がなかった…2人とも分かりやすいのよ!!」


と優しい笑顔を私の顔に向けた。

私は無言に自分の部屋に駆け足でいった。

なんで・・和也が元気がないのよ…あっちが私に酷いこと言ったくせに…。
和也は私のとこ幼馴染だと思ってないなら私は………なに??
そんなことを思いながら明日を迎えた。


学校の門に入るとなんか…周りの目線がすごい痛いんですけど…

ヒソヒソ話し声まで聞こえるし…なんか私の顔になんかついてんのかな??
私は自分の顔を触りながら自分の教室に向かった。


あぁ~早く教室入りたい!!
あと少し!!

私が教室に入るとさっきまで騒がしかったクラスのみんなが私に注目して一瞬にして静まり返った…。


「ぉ…おはよう…」
沈黙に耐え切れなくなりあいさつをした…。



「陸──!!すごい大変身しちゃった!!かわいずぎ──!!」

七菜は勢いよく私に抱きついてきた!!

あっ!!そっか私・・・地味な私から克復したんだ!!

七菜が私に話しかけるとみんなが私に近寄ってきた…。

「なんだぁ─高橋かよ──誰かと思ったよ。」


「陸──かわいくなったね!!どこの美容院で切ったの??教えて!!」


「なんでかわいくなったの??」


「転校生かと思ったよ!!」


みんな私の周りでイロイロ話掛けてくれてとても嬉しかった・・・。
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