短編②
死神と私
「君は死ぬ運命(サダメ)だった。ただそれだけの話だろう?」
何故、そんなにアナタは冷たいの?
「生きたい?もう、無理だよ。何、言ってるの?」
優しく微笑みながら、
残酷な言葉を私に吐き捨てて来る。
「何で泣いてるの?…生きててもいいことなんてあった?」
「……生きたい…」
私はその場で崩れ落ち、
目の前に彼がいるのに、
泣きじゃくった。
…生きたい。
やっと、
やっと自由になれると思ったのに。
"あの人"がいなくなったのに。
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