悪魔なふたり
TABOO
−ピピッ、ピピッ−

「・・・っ……うう、ん・・・?」

目覚ましのけたたましいアラームの音で夢の世界から呼び戻された。

「……朝?」

いつの間に眠ったのだろうか、さっぱり記憶がない。

「あ、起きた? おはよー」

寝起きでまだ頭が上手く働かないで居ると、いつの間にか椅子に座っていた人物が言った。

「寝落ちてたんだもん、ビックリしちゃった」

くすくす、含み笑いで言われて少しずつ記憶が鮮明になる。

「・・・あ」

そうだ、昨日は大きな会社との会食だった。

「寝落ち?」

相手の発言で気になったところを聞くと事も無げに

「覚えてないの? 昨夜、帰って来てから報告もしないで真っ直ぐ部屋に……」

「……っちゃあ」

そうだった、普段付き合いのない人とのやり取りに疲労が限界を越えた私は、事後報告も程々に自室に向かったのだ。

「・・・怒られる」

「かもね。言っておくけど、ボクはフォローしないよ?」

自業自得♪、悪戯っぽい笑顔で言われちょっとムカつく私なのだった。

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