悪魔なふたり
「どうだった?」
自室に戻るなり椅子に座っていたその人はどこか楽し気に聞いた。
「……大丈夫、だった」
お咎めなし、そう告げるとその人は得意気な顔になり、
「よかった・・・。……君がいなくなったら寂しいもんね」
「え……?」
聞き間違いかと思い、もう一度聞こうとすると、そういえば、と話を逸らされた。
「今日は、オフ?」
「あ、うん……」
昨日会食を終えた私は今日一日だけ休暇を貰った。
「そか。・・・じゃあ、出掛けない?」
ボクも休みだし♪、暗にそう告げるその人に少し驚愕する。
「え、だって、あなた昨日……」
「ん? ボクがなんだって?」
私の失態を取り繕ってくれただけでもすごいのに、休暇を取るなんて。目だけで言うとその人はくすっ、と笑い、
「そんなの簡単だよ♪ だって、君の介護をするって言ったんだから」
「っ・・・」
その言葉に更に動揺してしまう。
「私の、介護・・・?」
確かに人込みに行くと昔から次の日にまで影響してしまう。
「……でも、だからって、そんな」
私の動揺をどう捉えたのか、その人は今まで浮かべていたイジワルな笑みではなく、柔和な顔になり、
「だから、ボクは今日一日、君の護衛なの」
わかった?、尋ねられ素直に頷く私だった。