悪魔なふたり
「気持ちいいね」
木漏れ日の差す丘で、私達は寄り添って座っていた。
「……うん」
俯いたまま顔を上げないで答える
「さっき転んだとこ、痛い?」
その人は私の膝を持つとお医者さんがするみたいに観察を始めた。
「血が出てるね。じゃあ、この魔法の絆創膏をあげよう」
まほう?、幼い私はまだ「魔法」という言葉を聞いたことがなく、何処か遠い国の言葉だと思った。
「この絆創膏を付ければ、痛いのはすぐに治るよ」
「……ほんと?」
魔法という言葉は知らないけど、あの人が言うんだから間違いない。
「うん。さ、足を借して?」
言われるがままに足を出すと、
「アブラカタブラ・・・」
意味のわからない言葉で絆創膏を貼られた。
「うん、もうこれで大丈夫」
にこっ、と笑い、その人は再び私の頭を撫でた。