キス魔なあいつ
「俺だけ…、俺ばっかり、こんなに陽菜を好きなんだ」
あれ…。
…なんだろう、これ…。
あたしは、まだ気絶してるのかも知れない。
そして、これは夢なのかも知れない。
「お願いだから、陽菜も俺のこと好きになって…」
じゃなきゃ、あたし…。
こんなこと、信じられるワケがない。
「…バカはるか…」
「信じてよ、陽菜」
でも、苦しいくらいに抱き締められてる今が、温かくて。
これが、夢なんかじゃないって悠の腕で教えてくれて。
ねぇ、悠?
あたしもね…。