キス魔なあいつ
「ん~~~っ!」
んでもって、この子に自重という文字はないのだろうか。
「また気絶するっ!」
悠の顔を両手で引き離して、胸一杯に酸素を取り込む。
どうやら死からは、ギリギリ免れたようだ。
いや、冗談抜きで。
乱れた息を調えながら、悠を見上げ。
「あたし以外とはキスしない。 返事は?」
悠はビシッと真っ直ぐに手を上げ、目をキラキラさせながら。
「当たり前! 陽菜がいるのに、する必要なし!」
「よろしい。」
悠ってば、ほんと、バカなくらいに素直なんだ。