キス魔なあいつ
「あー、あたし何で“男”じゃないのかしら?」
そしたら、この可愛い百花を、即刻、あの彼氏から引き離してやるのにっ!
「ふふふ、そしたらあたしも陽菜ちゃんを彼氏にしてたね!」
「本当っ!?
あたし達、両想いじゃない!」
「きゃーっ♪」
本当に、穏やかなお昼。
しかし、そこに百花が波紋を広げた。
「だけど、陽菜ちゃんが男の子になったり、あたしの彼氏になったりしたら、悠くんが怒っちゃうもんね?」
優しく微笑む百花の言葉に、あたしの頭は疑問だらけになる。
「…何で、悠?」
「だってラブラブでしょ?」
「いや、ただの“幼なじみ”ですから。」
何を勘違いしてらっしゃいますか、百花さん。