キス魔なあいつ




「ってことで、付き合えませんので。ごめんなさい。」


さて、これで買い物に行ける!とあたしは彼に背を向けた。

……のに。

「ちょっと待ってください!」


どうやら、今日の敵は手強い。

あたしは聞こえるように、わざと大きなため息を吐いた。


「…まだ何か?」


早くしないと、きっと悠だって待っている。

もう結果なんて見えている告白よりも、買い物の方が、死活問題に関わるっていうのに。

別に、決して食い意地が張ってるワケではありません。




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