キス魔なあいつ
悠がこうしているなんて、久しぶりだ。
いつが最後だったかなんて、思い出せないくらいに、久しぶりだ。
余程のことがあったのだろうか?
「悠?」
あたしの中で、一番の優しさを持って、名前を呼ぶが返事はない。
「…悠…?」
…もしかして。
近づいて、悠の横に身を屈め、見れば。
……すぅー……すぅー…
案の定。
悠は寝息をたてていた。
――チッ
何か大変な悩みがあるのかと、あたしが心配してみれば。
悠は寝ちゃってるわけ?
心配して損した気分だ。
時間を返せ!