キス魔なあいつ
すやすや眠る悠が恨めしくて。
「この…、バカ悠…」
悪態を吐いてしまう。
でも眠る悠は、いつもよりは、かわいい気がする。
キスする時だって、目を瞑るのに、こうしてまじまじと見ると、悠はやっぱりきれいだ。
絶対に、詐欺王子だ。
そんなことを思いながら、見つめていると。
「……ひ…な…?」
その悠の長い睫毛を携えた、切れ長な目は開かれ。
そして、その中のきれいなブラウンの瞳と視線が交わった。