キス魔なあいつ
そんなあたしを、悠はクスッと笑った。
「…なによ…」
“いつも”なら、もっとムカついて、もっと強く言ってやれるのに。
でも“いつも”のようじゃない悠の雰囲気に、どうしても出来ない。
させてくれない。
だけど、そんないつもと違う悠に…。
どうしてだろうか?
「…顔が赤いね?」
ベッドに顔を伏せたまま、あたしを見上げる悠に…。
あたしは、もしかして。
いや、もしかしなくても…。
…ドキドキしている…。
これ以上ないってくらいに、心臓は超高速で動いている。