キス魔なあいつ




それでもあたしは、悠に会いたくて、ここまで来たんだ。

悠に必要とされたくて、今まで来たんだ。

あたしの世界の中心人物は、紛れもなく悠だった。

それはずっと、これからも変わらないし、変えるつもりもない。



……悠。

あたしね、言いたいことがあるのよ。

ずっと、ずっと、気づかなかったけど、ねぇ。

あたしね、



「…あいつなら、いませんよ」

「え?」



突然、後ろからした声に驚いて振り向けば、昨日の男子が立っていた。


「あいつなら、教室にはいません。」






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