キス魔なあいつ
いつまでも〝ちゅっ〟〝ちゅっ〟とキスの嵐なので。
あたしは、そんな子ライオンから顔を背けた。
「晩ごはん、遅れるわよ?」
「あっ、そうだった!」
あたしはもう、おなかペコペコなので早く作って食べたいんですが。
んでもって、この抱きしめられてる状態をなんとかしたいんですが。
その思いが悠に通じたのか、
「陽菜、大好き」
と頬っぺたにキスをしてから、キッチンをスキップしそうな勢いで出ていった。
手伝いなさい!とは、もう敢えて言いません。