キス魔なあいつ
あたしは悠を探すために、ただ闇雲に走る。
どこにいるのだろうか。
やっぱり、多少手荒い真似をしてでも彼から聞き出してくれば良かったかも、なんて後悔。
とりあえず、購買、とか?
お昼ご飯を買いに行っているのかも知れない。
そう思って、痛いくらいに動く胸を抑えて、購買に向かう。
……が。
「…もう。どうしていないのよ」
辺りをいくら見渡しても、見当たらない。
賑わうほどの人がいるのに、悠の姿はない。
購買じゃないのか。
「…っ、じゃあ、食堂?」
次にあたしは、食堂へと足を進めた。