キス魔なあいつ
たどり着いた、屋上へと続く階段を一段上がって気付いた。
「………!」
誰かが話している声がする。
「…、…たし…はるかく…き…っ!」
……はるか?
もしかして、と思い、階段の陰をそっと覗けば。
「だから、俺は、」
悠がいた。
ここからでも、女の子と悠、二人が向かい合っているのが見えた。
悠は困ったように、壁にもたれかかっている。
「付き合えないって。」
どうやらやっぱり、告白らしい。
あたしの勘は当たったというわけだ。
…出来れば、当たらないで欲しかったけど。