キス魔なあいつ




「陽菜ちゃ…」

「うるさい、悠っ!」

「……ごめんなさい…。」


そりゃあ、昨日は寝不足で。
あんだけ走り回った後で。
ドキドキ最上級での酸欠状態。

仕方がないっちゃ、仕方がない。

けど、それで済まされたら、あたしの気は収まらないのだ。



「……苦しかったんだから。」

「……はい、すいません…。」

「……悠、あたしの話なんて聞かないし。」

「……本当に、すいません。」


毛布からちょっと顔を出し、悠を見ると、屋上でのことは嘘のように、しゅーんとしている。




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