君だけが好きで。

あたしがモデルかキャバ孃なら
その辺の女の子みんななれますっ

とか心のなかで突っ込む。

「この子。愛巡。あっ、そーいや何歳?」

「えと、中2。」

「え、ウソだろ!?」

いやまぢですけどーーーー。


「高校生か思った!」

「そんなにフケてますか?(泣)」

「違うちがう!」

「大人っぽくて、すっごい可愛い。てか綺麗。」

そう言ったお世辞がうまい先輩は賢(ケン)先輩。
チャラチャラした孝(タカシ)先輩。
TVをガンつけてる太朗(タロウ)先輩。
マスコットみたいな和樹(カズキ)先輩。
ビッグ乗りらしい勝(マサル)先輩。
CoCo壱で働いてる秀(ヒデ)先輩。

うーん。あたし恭呼び捨てしてたけど…
いいのかな??

聞いてみるか。

「恭…?先輩って知らなくて…
呼び捨てだしタメ語ごめんね…?」

「んなこと気にしてねーよ?」

恭の声は低くて甘い。

とろとろするの。

「愛巡ん、刺青いれてるーっ。
恭もいれてたよね?」

そういった孝先輩は悪びれなくニッコリ
笑顔になった。

「んあぁ。俺はでっかく竜だけど。」

腰から肩まで、大きな刺青が入ってた。

――…かっこいい…―。

竜は動きだしそうな迫力があるの…。

恭のオーラそのものって感じだった。


それから恭が作ってくれたご飯を皆で
食べて、寝るってなったとき、あたしの
ケータイの着信音の浜崎あゆみの曲が
流れ出した。

ディスプレイには、


"尚矢(ナオヤ)"



あたしに暴力をふるう張本人、
あたしの男、だった。
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