君だけが好きで。
「調子ぶっこいてんじゃねぇ。」
そう怒鳴ると尚矢はあたしの腹を蹴る。
「貴様俺をなめとーとかやん」
髪の毛を引っ張られて、頬を殴られた。
「な、めて…な…ぃ。」
あたしなりの一生懸命で声を出すのに必死だった。
「お前あの写メどーするとや?」
…嗚呼。
そうやってまた君はあたしを脅す。
ほんとはこんなじゃなかったよね?
尚矢…。
「ど、なっても…い、ぃ…。」
「…。」
「な、ぉや…。別れょ、…。」
「んでお前は…」
…ん?
「なんでお前は俺が思うとおりになんねぇんだ。」
ぇ…。
「なんで俺だけのモンになんねぇんだ!!」
ごめんね、尚矢…。
「俺はお前のことこんなに好きなのに。」
もう、無理なんだ。
あたしは…恭が好きだ。
出会ったときから。
あたしは…ドキドキして。
恭の匂いがする…って。
恭の、大きな背中を見て。
単車にのって
低くて甘い声であたしに話しかけて。
出会ったばっかだけど。
あたしはあなたのことが
大好きです…。