僕らはみんな、生きている。
 ドアを開けた麻美は、笑顔で秀司を迎え入れた。
「なんか嬉しそうだな」
「だってこうやって会うのって久しぶりだし」
 嬉しくて声が弾んでいた。
「そうだっけ」
 それとは正反対に、秀司はかなりそっけない。

 秀司が部屋に入りフローリングの床の上であぐらをかくと、麻美はキッチンからマグカップを二つ持ってきて、中央にあるテーブルに置いた。
「お茶です」
「どうも」

 秀司がマグカップに口をつけているときも、麻美はまだ嬉しいのかにこにこしている。
「……おまえにやにやしすぎ」
「いーじゃん別に」
 ふう、と秀司は息を吐いた。

「いいな、おまえは。元気そうで」
 見ると、秀司の顔は少し疲れているようだった。
「大丈夫?」
「最近よく眠れなくて。疲れが取れない」
 そう言って、秀司はマグカップをテーブルに置いた。
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