僕らはみんな、生きている。
 本屋に入り、出入り口からだいぶ奥の場所にあった心理学の本棚で足を止めた。

 統合失調症について書かれた本は……、どれだろう。
 背表紙を眺めていると、精神病について症状が詳しく書かれた本を見つけた。

 これかな。
 
 店内にあるいすに腰掛けて、読んでみた。

「統合失調症(精神分裂病)」

「統合失調症は、精神活動の活発な20歳前後に発症しやすく……」

「不眠、妄想、幻聴、幻覚」

「今までと人が変わったようになり、周囲の人はその変化に戸惑うかもしれません」

 読んでいくと、秀司に当てはまることがいくつも並んでいた。

 でも、ちゃんと薬を飲めば、症状はおさえられるという。
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