僕らはみんな、生きている。
『ごめんね、いきなりで。
 少しの間距離を置きたい。

 でも別れたいってことじゃないよ。

 秀司が元気になるまで待ちたいの。

 元気になったら、秀司が行きたい所に連れて行ってよ。

 夜明けは必ず来るんだよ。』


 私は、逃げたんだろうか。病気になった秀司を真正面から受け止められなくなったから。

 自分を責めてみた。けど、それをしたところで何も変わらないと思い、途中で考えるのをやめた。

 携帯の画面に入力した文章をじっと見ていたら、やっとボタンを押す決心がついた。
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