甘くビターなささやき【密フェチ】
甘くビターなささやき
「こんな遅くまで一人でフラフラしてどういうつもりだ!」


あなたの怒った声が暗い車内に響く。

私は無言でシートに沈み込んだ。

ふて腐れている訳じゃないの。

あなたの声を聞くのが好きなのよ。

低い柔らかな声。

まるで、芳醇なエスプレッソコーヒーみたい。


「今日という今日は白状してもらうぞ。俺が何をした?」


何も。

だから つらいんじゃないの。


あなたのコトが大好きなのに、いつまでたっても『お隣の小さな女の子』としか見てもらえない。

私はもう二十歳を越えたのよ?

分かってる?

報われない恋なら、いっそ断ち切ってしまいたい。

あなたを避け続けたけど、今夜はとうとう捕まったみたい。

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