桜 色 恋
飛鳥は結局1、2時間目を寝て過ごした。

転入初日なのに、“何コイツ…”とか思ったけど


寝顔が可愛くて起こせなかったの…




「さ―くら?!」
「わっ…ゆっ子!?」

トイレに向かう途中で、親友のゆっ子が飛び付いて来た。

「ね!?さっきの転入生!さくらと良い感じじゃん!?」
「良い感じ〜!?まさか。西都くんは彼女いるってさ?」

私がすねた口調で話すと、ゆっ子が立ち止まった。

「なぁに?」

後ろを振り向く私。

「さくら、あれ…―」
「っえ…?」

横を向いて指をさすゆっ子の方を見る。


そこには飛鳥と3年女子の先輩がいた。

先輩は飛鳥の首に手首を絡ませて深いキスをしている。



う…そ。

最悪だ。

私は見てみぬふりをしてトイレに駆け込んだ。
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