ストレイト


昨日桜木君とメールができたことが、嬉しくて中々寝付けなかった私は百合と今、野球部の試合の応援をしている。


9回の裏11対9で僅かに押されているところで、丁度藤崎君の打順になった。


1アウトで塁には2人おり一昨日の練習試合のようにヒットが出れば、逆転も十分ありえる。


ピッチャーからボールが放たれ、誰もが息を呑む瞬間、ボールは見事にバットにとらえられ、スタンドへと飛んで行った。

その時の彼の顔は自分の事のように笑顔で、目が離せなかった。


そんな私の視線に気付いたのか桜木君と目が合い、時が止まったかの様な感覚がした。


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