ストレイト
「藤崎君って結構モテるんだね…。」
私の問いかけに頷く百合。
「私がね、藤崎君を好きになったのって、りんごに好きな人出来たって言ったあの日なんだ。」
百合が静かに話しだした。
「あの日ね、廊下で藤崎君にぶつかっちゃって。藤崎君が持ってたノートをばらまいちゃって。」
ははっと苦笑いをする百合。
「でも、嫌な顔1つせずに凄く心配そうな顔で"大丈夫?ごめんね"って言ってくれたの。私だって悪かったのにね。その時一目惚れかな?単純だけど」
そう言って切なげに笑った百合の顔は凄く綺麗だった。
この時私は百合の恋が叶って欲しいと心から思った。