ストレイト


「ねぇ、百合。百合の好きな人って、藤崎君?」


他の3人には聞こえないように、百合の耳元で話すと百合は僅かに首を縦に振った。


「りんごは、桜木君の事気になってるよね?」


思わぬ言葉に驚きを隠せなかった。

桜木君は、昨日のグラウンドに立っているのを見た時からずっと忘れられなくて、今日会った時は本当に驚いた。

そんな事を百合が見抜いているとは、相変わらず勘が鋭い。


「りんごちゃん、百合ちゃん!映画が人気で2、3に分かれなきゃいけないって!」


いきなり田中君が話し掛けてきたと思ったら、5枚のチケットを差し出されその中の1枚を引かされた。


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