アリス姫。
暗い部屋。


窓が一つしかない、真っ暗な部屋。





そこには神原がいた。



「…今日は天気がよろしいですよ。御出かけは?」


神原は、“誰か”に話しかける。



『あら…私が出かけるとでも?』


“誰か”は水槽の中で泳いでいる魚を手でつつく。




「…そうですね。」






沈黙が、水槽の泡の音に包まれる。




「今日は何用ですか。」


『そろそろ…時期でしょう?』


「………ええ。丁度駒が揃いました。」





『ふふ…もう少しで、鐘が鳴るわね……。』



「………。」



『ハジメマショウ。裏行事を…』













「………はい。女王様。」







近づいてくる。



それは、足跡を残して……





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