アリス姫。
「でもあたし…」


小悪魔が言いかけた直後、鐘が鳴った。


「もう授業始まるじゃん!それじゃあまた夕方ねッ☆」



そして解散。







…小悪魔さっき何か言いかけてたけど…


なんだったんだろ?



ちょっと悩んだが、授業を受けてお昼の頃にはもう忘れてしまっていた。








――――――――……

☆休み時間☆



外から見えないようにカバーをかけた可愛い物通販の雑誌を見ていた時だった。


クラスの男子が急に私に声をかけた。


「峰島。呼んでるぞ。」


「誰が?」



すると入り口の扉からひょこっと顔を出した。


…相楽!?




ゆららは廊下に向かうと、相楽は笑顔で抱きつこうと近付いてくる。


「会いたかったよ!アリ…」


ドカッ



しかしゆららの足蹴りであえなく撃沈。



「グハッ…こ…こんなに凶暴だったっけ?」

「用件はなに?」



つーんとした表情で聞くと、相楽は態勢を整える。


「ここじゃちょっと…。屋上に移らない?」



「??」









屋上に移ると雨が降っているため、屋根の下へ待機した。



「で、話ってなにさ。」



「ああ。」


相楽は視線を地面の水溜まりへ向ける。


冷たい雨が幾度となく降り続いた。




「今日の、裏行事のことなんだけど…」


「うん?」





「裏行事は…クイーンの権利を与えられているアリスが主となって行なうんだけど…条件があるんだ。」


「…条件?」


「鍵を捜すのに与えられる時間は3時間。それまでの間クイーンは“決まり事”を守らなきゃいけないんだ。」

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